ウオロェデョイ埠頭

lo vrici selciska be la .xopukas.

支離滅裂についての支離滅裂でない文章

当記事の明示すべき文脈の一覧と"感想"

当記事の明示すべき文脈は下の1件です。

note.com

 (  . .) *1

 (  . .) *2

 ( ₋ ₋) *3

支離滅裂は良いですね

 端的に言えば、興味深いタイプの支離滅裂さです。
 そして(ここから先はただの憶測ですが)その大部分は、いわゆる現代芸術のそれに深く根差してるのでしょう。

 私は現代芸術にも謎解きにも文学にも詳しくないし、それとは別のベクトルとして全然「頭が良」くないので、これの意図を深く察することはできないでしょう。それでもこれを文脈として何かを語ることはできそうなので書いている次第です。

 とはいえ私は金銭に関する感覚が希薄だからか、有料記事であることについて記述に値することを考えることができなかった。頭のその領域にめっちゃ霧がかかってる感じ。うーん (.  *4

 「多重人格ではないけどそれに程近いような」「脳内が会議室みたい」というのはわかる。実際これなんですよね。これを異常だとして忌避したり憧れたりするのが好きじゃない。ある程度《こちら側》*5 の人にはよくあるものだと思う。

 私の外にはものすごく沢山の人がいるのに、私の内側には1人だけがいますか? おかしいと思いませんか? あなた

マルマルコフコフみんなしゃべるよ

 いくらか、いわゆる自動書記のようなテイストの記述が見られますね。

 自動書記について簡単に説明すると、なるべく考えずに手がひとりでに動くような気分で猛スピードで文を書くことです。無意識を反映するとか言われていて、スピリチュアルな目的(上位存在や宇宙人と交信云々) で試みる方が多いようですね。それに検索結果が 汚染 占領されています(怒)*6。私はそれよりもシュールレアリズム的な文脈の自動書記に興味があります。これ自体はありふれた形で、もはやシュールでも"現代"的でもないでしょうけど(個人の感想)。

 実際にどの程度自動書記である(計画や推敲を経ていない)かは断言できないものですが、私の感覚では多分、自動書記っぽいけど十分な計画や推敲を経た文のような、気がします。考えずに書いてあんな感触の語彙になることってあまり無いので。*7

 そういえばこんな投稿があったな。

 むっちぇ分かる。まあ、ここでいう「平沢進」も「自閉症界隈」も「統合失調症」も、引用元の記事が属する・属そうとした分類ではないだろうから、ややずれた話ではあるけど。

 哲学的な述語がガシガシ並べられてゆく様子には、ありふれた一昔前のボカロの感覚、衒学、侃々諤々、非論理接続、gik、joik、だけどそこかしこに「よくある感じ」で留まらない繊細さを感じます。

夕が僕を憂いていて
耐えられない情報の波
飽かぬこれが蠢いて
いつか内破するのだろう

 ここ一番好きです。

 情報に破り殺される恐怖は確かに存在していて、我々に語られ足りないという顔をしています。数か月前の夜に今まで最も強いそれを体験して、破壊的に*8変更された気が、しています。

最後まで読んでない奴が感想を語るな

 はい。ごめんなさい。私は最後の1文字を(知っていますが)読んでいません……。
 純粋な「感想」のパートはここで終わりとします。

ぷにょ

 支離滅裂性、特に芸術的文脈のそれについて語る時間になりました。

 私はどうやら支離滅裂でカオスなものを平均より著しく好む傾向にある、と言われることが多いようです。音楽や文芸でも、正書法でも、存在のしかたについても。

 その反面、秩序を求める衝動も強く渦巻いていて、特に幼いころはそれに振り回されて大変でした。今はそれほど大変ではなくなりました。"エミュレート"*9技術の向上によるものですかね。

 完全な秩序と統一を求めて足掻き続けて、ある時にふとそれが(物理法則、他者性、自身の知能や気力や時間の限界などあらゆる要因から)拒まれることを知ると、一転して完全なカオスを求めるようになる。これは私たちの「あるある」なのだと思います。

 私が支離滅裂なものを書くときに持つべきものは、無思考か、自己否定です。

 ここでいう自己否定というのは、能力や作為や所属ではなく、この世界に存在することへの否定です。「私が存在するべきでないのに存在している」のだから、私が今更何をしようと秩序も価値も無いのです。数を0で割ることが許される世界で数学を極めろと言われているようなものです。その意識が支離滅裂を熱く支えてくれます。

 反対に、他者や他者の信じる常識を攻撃したり、自らの「頭の良さ」や「強さ」を顕示したりする支離滅裂性を、私はあまり書きたくないのです。味の素と食塩を瓶ごとぶちこんだ料理、グロいだけのグロ映画のようなものでしょうか*10。なんか「激しい点滅を含むため光過敏性発作の経験のある方は~」みたいに、誇らしい支離滅裂にはそれ専用の注意書きをしてほしい。

 

 話題逸脱タホルヘ

 現代音楽、現代短歌、現代建築、現代4コマ、そのような複合名詞における「現代」はだいたい、異常性や斬新さを含意しています。現代に生きるふつうのぷれぬとしては、寂しいものです。何だよ現代音楽って。ビートルズも嵐も米津玄師も巷のDTMerが2時間で作った曲も現代の音楽だろ。それを「現代音楽」って呼ぶのはダメとか言うのマジでお前、お前さあ、いや違う、ごめんなさい、あなたは悪くない。ぜんぶ自然言語が悪い。自然言語をやめてイスクイルを使おう。「現代に存在する音楽」と「現代に特徴づけられる-[EPI] 音楽」は区別されるべきですよね、イスクイル母語話者の皆さん? (0件の返信を表示▼)

 話題回帰タホナイルヘ

 常識を前時代のものとして否定して、聴衆の目の前で壊して回る行為、正確にはその行為が成り立つと考える精神、はあまり好きでないのです。そうして先駆者や破壊者の称号を得ることはなおさら嫌いです。

 私は賢くてセンスのあるあなた方と違って、常識を破壊する権利がありません。私は常識に破壊される側の人間です。私が何も見えないまま蹌踉いて音もなく崖の下に消えるところを見ているといいでしょう。

ぽにゅ

 この世界の一部で「常識から外れている」と呼ばれるもののいくつかを言語で表現することができます。

 常温で液体の金属*11。空が黄緑色*12。訓読み*13。男でも女でもない人*14。2億は大きい数*15。永久に焼かれ続ける餅*16。私が彼を愛するときに彼は私に愛されていない*17。ド♯よりレ♭のほうが低い*18。"新しい共感覚の相互作用的拡大を具現化できるなら" が1単語で表せる言語*19

 でもこれらは、少なくとも1つの可能な世界では常識です。

 そしてこの世界は、ちょっとした風向きでニコラ・テスラが産まれなかったり、ジーンズが流行らなかったり、あなたが国会議事堂を爆破したりするような世界です。何か特定のものが、私たちの今いる世界に存在するか、いくつ存在するか、私やあなたが知っているか、どの程度常識的であるかというのは大した問題ではないように思えるのです。

 とある常識が、(幸運にも)あなたに見えるものであれば、その常識に従ったり、ドヤ顔で破壊を試みたりしましょう。そうでない人々には、それを常識として破壊する権利が無いのです。異なる常識を夢見る権利くらいはあっても良いと思います。

 これまでにいくらか怪文書は書いてきたけど、『有料記事についての考察でない考察』ほど支離滅裂で自由奔放な書き方は「私が取るには悪手だ」として避けていました。それは私の歪んだ倫理観*20によるものでしょう。

 この世の常識を絶対的な常識として意図的に内面化する方法が分からず、「芸術」の名の元にそれらに唾を吐く勇気すら無かった私は、この世界に適していないのです。

 何も考えたくない。知能を持っていたくない。他人に「この人は自分より賢いな」と思わせたくない。前衛部隊として勇気を讃えられたくない。だから私が書く支離滅裂は、無思考か純粋な殺意によるものでなくてはならないと思うのです。

 何人かの友人が私を「頭が良い」とか「物知りだ」とか評しましたが、その時に私は喜んだのか、誇ったのか、そうでないのか覚えていません。「頭が悪い」と言われたら嫌な顔をしたのでしょうか? ねーね*21。誰か今度実験の手伝いだと思って私を罵倒してくれない?

いすくいるタイム

 いぇーい!「シュールレアリズム」の語が出た辺りから内なるイスクイルがデョイデョイして仕方なかったんだよ!

 イスクイルの(特に3の)文法書ではいろんな例文に道化師(ピエロ)が登場するし、挿絵もあったりします。これについて JQ(イスクイルの作者) は FAQs ページで「自分を含む何事も真剣に考えすぎないように、と思い出させるため」だと説明しています。

 そして v4 では、これまで「愚かな」「滑稽な」と同じ語根の派生語だった「道化師」が独立して、なんと「ダダイズム」「シュールレアリズム」と同じ語根になったのです。つまり作者の言う道化師は、ダダイズムシュールレアリズムの象徴でもあるのですよね。

 私がイスクイルに惹かれる理由の1つはこの哲学にあります。思考や内省を強制しまくる言語のくせに「何事も真剣に考えすぎないように」という猛烈なダブルバインドの中で苦悩することが、オワオワのイスクイルの楽しみなのです。

 完全に支離滅裂でカオスな記述を避けてきたのは、イスクイル作者自らが書く文法書や詩に影響されたからでもありそうです。
 あれほど形態論にカオスを盛り込みながらも、それを詩の中で全開にはしなかった。形式の華々しいカオスより、内容から滲み出るカオスを選んだ。その姿勢には私の共感できるところがあります。

おわりです

 この世界は支離滅裂でカオスなので*22、支離滅裂でカオスなものを嘉するしかない。と思います。
 そもそも我々は物語でないので、伏線も読者に伝えたいメッセージもクソもありません。そのくせに人は人に物語を求めます。誠実な者は支離滅裂なものを提出して、やる気がないとか狂気とか衒学とか言われるのでしょう。その声に怯んではいけないのです。支離滅裂をカオスて、非文でもこそ美しいじぇすろ*23

 つまり我々は寝たいときに寝るべきで、
 トニックに向かうドミナントは濁らせるべきで、 
 文法書は血で書かれるべきで、
 57は素数ではないと述べるべきで、
 分かりきっていることを問うべきで、
 あなたの体験するあらゆることは冪等ではない!

.

 在り始めから終わってた脳が
 邏り輯めた結論なんて
 せいぜい無色の緑より
 彩度が高いくらいでしょう

 砕かれながら仰ぎ見た
 宇宙の膨張速度は物足りない
 
 過去を忘れて身体を捨てて
 それが無理なら世を捨てて
 晴れてわたしも寝返るの
 ラウンチ・アルコ 切り離せる都市へ

 排煙で曇る人工天球
 頂点直下にて唐突なセッション
 モーダルかつコーダル
 まあそうなる、に悖るアトーナルな折衝

 今のコードはどこから降りてきた?
 耳石にレコードの針を置いてguess

 今夜だけはベタな押韻
 詩みたいなせわしない改行も
 {死にたい} の心態詞を知らない
 sutysiskuのせいにはしたくない

 過去を忘れては歌えない
 身体を捨てては聴こえない
 それでわたしは願えるの
 ラウンチ・アルコ まだ飛ばないでって

   /『アトーナル・アルコロジー』 重音テト(UTAU)・知声(VoiSona)

しゆぽにタイム

 しゆろんぽ*24だ。ぽにぽにするね。

Vötgil

 私は少しわくわくしてきました。Vötgil にはたくさんの母音があるから。

 

 終

2024.5.1

*1:ア! 感想を言ったほうが読者に親切な気がして、見出しに「感想」を含めてしまった

*2:感想はまとまっているべきな気がして苦手だ。端的に述べてこの章を終わらせてしまわなければ……

*3:活断層

*4:右半分が霧に隠れている (. .  ) の図

*5:すごくイキった言葉に見えるけど、「こちら側」に与える客観的で短くて無害な日本語の名前が見つからなかっただけ

*6:私は軽くスピアンチなので「自動書記」をスピ文脈から解放してあげたい

*7:もし考えずにこれを書けるなら、かれはスピ界隈のインフルエンサーになれるでしょう。熟考のもとでこれを書いたなら、かれは私の好むタイプの詩を書く才能があるでしょう

*8:この「破壊的」はぶっ壊すっぽいという意味ではない。「非破壊検査」とか言うときのそれ

*9:発達障害の文脈で言うそれ

*10:共感覚ではなく、ただの強めの比喩

*11:水銀とか。普通にある

*12:実例はすごく少ないがある

*13:中国語話者が初めて日本語の訓読みを見たら絶対非常識だって思うでしょ

*14:実際、prenuの9分9厘はこれ。てかむしろ、特に疑いを持たずに男とか女である人のほうが異質に見えるわよ!

*15:そういう考え方もある

*16:あるかは知らない

*17:自言語の世界観だとありうる

*18:ピタゴラス音列とか29平均律とかね。ぶっちゃけド♯=レ♭の世界のほうが特殊だよね

*19:イスクイル3

*20:「倫理」は絶対的で高尚なイメージを与えすぎるため「ぷかルール」と呼ぶべきという説がある

*21:日本語の「ねえねえ」でもヒュムノス語の nene(分からない) でもある

*22:Afkamta ti átaca ümt eavàštûs ekšiarmé im ovarpiňžaňúd

*23:じぇすろ https://x.com/MujunKonton/status/1779494426697691453

*24:小籠包の形をしたクッション